Velocity Based Training (以下:VBT)はリニアポジショントランスデューサーと呼ばれるバーべルの速度を測る機械を使い強度設定をするトレーニングです。近年、研究が進み、アスリートなどを中心に利用が広まっています。
本記事では、その基本原理について解説します。
ズバリ、基本原理は“特定の%1RMに対するバーベルの挙上速度はセッションごとに、変化しない”ということです。
つまり、筋力が伸びて、特定%で使用する絶対重量は変化してもバーベルの速度は一定ということです。
Gonzalez らは、6か月のトレーニングプログラムの前後に、ベンチプレスの1レップ目の速度を測りました。その結果、筋力の伸びにかかわらず、30-95%1RMまでの速度がほとんど変化しないことを発見しました。(Table 1) これは、いつでも1レップ反復すればその重量の相対強度(%1RM)がわかるということです。
伝統的な%1RMの強度設定は1RMを測定しなければ、筋力の向上を確認できません。また、重量はトレーニングプログラム開始時に測定して1RMに基づいて決定されるため、日々の体調の変化に基づいた重量の調整が難しいです。例えば、85%1RM 4レップx3セットのスクワットを2か月続けた場合、トレーニング初期はちょうどよい追い込み具合かもしれませんが、途中からは筋力が伸びてくるため、不十分な刺激になります。また逆に、リカバリーが追い付いていない場合は、過剰に追い込みオーバートレーニングやケガのリスクになります。
しかし、VBTを用いれば、日々変動する筋力を捉え、まさにそのセッションの真の85%1RMを教えてくれます。そのため、常に最適な追い込みによる刺激を実現できるというわけですね。

速度はこの研究ではMean Propulsive Velocity (コンセントリックフェーズの初めから、バーベルの加速度が重力加速度-9.8m/sを下回るまでの速度を平均した値。つまり、バーベルに上方向の力をかけ加速させている場面の平均速度です。)をもちいています。
今回は、VBTの古典的な研究をベースに、その基礎を解説しました。VBTは速度を計測する機器があれば筋肥大・筋力・パワー向上にかなり有効なことは多くの研究で明らかになっています。VBTについて、一つの記事ではまとめきれないので、また別記事を執筆予定ですのでお待ちください。
